
企業の農業参入に向けた6次産業化セミナー「現地研修会」
主催:岡山県農林水産センター
農業とその関連分野に係る産学官連携推進協議会
場所:笠岡市笠岡湾干拓地一帯
笠岡干拓地が大規模で農業を行っていることは知っていましたが、実際に目で見るのは初めてです。
また、加工工場も一つのテーマですので非常に参考になると思います。
■研修日程
(1) 株式会社 創心會
10:00~10:30 ど根性ファーム加工場(笠岡総合卸売市場南端)
合同会社 ど根性ファームを設立、障害者の社会参加、ネギ栽培、
(2) 株式会社 ドール
11:00~12:00 I Loveファーム笠岡(笠岡市平成町)
株式会社 I Loveファーム笠岡を設立、ブロッコリー110ha栽培
12:20~13:00 道の駅 笠岡ベイファーム(笠岡市カブト南町)
(3) Y&G.ディストリビューター 株式会社
13:00~14:00 (笠岡市カブト南町)
野菜工場でリーフレタス、サラダ菜、露地でブドウを栽培し、
(4) 有限会社 エーアンドエス
14:10~14:40 エーアンドエス(空港の西のほ場)
カット野菜などの加工用キャベツやタマネギを栽培
(5) 株式会社 大黒天物産
14:50~15:00 大黒天ファーム笠岡のキャベツ畑を見学
介護福祉を営業されている株式会社 創心會さんがリハビリ後の社会復帰を目指した職業訓練の場が、農業生産法人合同会社ど根性ファームである。
訓練とはいえ、お金は支払っていて社会貢献に繋がる。
介護からの参入であり、理念もしっかりされており意義のある一つの形です。
主にネギを栽培されており、栽培面積は3.5ha。
1日60kgを加工されており、ラーメン屋さんなどに卸す。
2月で自社栽培が半分、他からの仕入れが半分で、3月からは他からの仕入れになるという。
コンスタントに加工工場を運営するには、周囲の農家さんなどの助けは必須だという。
問題点も多く、問題が起こって解決というのが日々でもある。
今日加工するネギが積まれている。

傷んだ部分をハサミでカットしている。
エアーで根元の土を飛ばす。

平成17年から営農開始。
主力商品はブロッコリー。
取引先は関西方面のバナナ、パイナップルで有名な㈱ドールに8割出荷。
その他、倉敷青果などへ出荷。
パート・アルバイト含め従業者100名。
I Loveファームは全国に5か所ある。
国産野菜を提供するという意図で㈱ドールが声を上げる。
その後、福島から始まり今に至る。
主要商品と出荷時期
ブロッコリー 10月中旬~4月上旬、5月末~6月中旬
すいか 8月20日~9月末
かぼちゃ 10月末~11月中旬
ロマネスコ 1月~3月上旬
レタス 12月~1月上旬
栽培面積
ブロッコリー 110ha
すいか 15ha
かぼちゃ 10ha
ロマネスコ 4ha
レタス 3ha
お話しより
・安定というまでには5年掛かった。
・主に品種の剪定に時間が掛かった。
・最初は5haから始め、2年目に20ha、3年目には40ha と増え、現在139ha、今後180haを目指している。
・場所を決める1番重要な点は、「面積」である。量が最大の武器になる。周辺車で10分内が望ましい。
・次に重要なのは年間の栽培スケジュールを考えること、次に輸送に便利か。
・定植は4人程度で行うが、最も時間の掛かるのは収穫である。
・品種は収穫のしやすい品種を選ぶ。(ILOVEファームでは13品種)
・年間ブロッコリー330万玉を出荷する。
・決められた単価もありおおよそキロ78円。
・1日4町植えるが、鳥害も多くあり5反は食べられる。対処は見回りしかできない。
・カラスは遊びで苗を抜く。
・気温が高すぎたり、虫、殺菌など問題があるが、種苗メーカーにもよる部分がある。
・100人規模以上になると人の確保が問題になる。その為、人の確保をするために場所を変えている。北海道では土地はあるが人が足りなくなり、青森にファームを立ち上げた。
・笠岡では20代も多く、主婦など時間・休みを合わせられる工夫をしている。
・ブロッコリー以外は儲けというより、ベテランの人材を確保する手段である。
ベイファームだけに魚も販売している。
特産品も多いが、パンなどその場で食べられるものがよく売れているように見える。
次に日常使用する食材。
特産品は土日に動くのかもしれない。
目の前には一面に菜の花畑がある。
立ち寄る際に良い心の土産にもなる。

Y&G.ディストリビューター 株式会社
旧ワーコーファーム
野菜工場:リーフレタス、サラダ菜
露地:ブドウ栽培し、
その他に、トマト、アスパラ、パセリを1棟ずつ栽培している。
シャインマスカットを試食。
当たり前だがマスカット味がするが、ぶどうで食べたときより感じる。
ミルクのベースが非常に美味しい。

実際に試食、そのまま食べてもにがみは少ない。
袋のままだと2週間は持つという。
ただ、冷やし過ぎする痛みが少し早い。

植物工場
・両備のシステムで総額1億円の投資。
・年間同じ値段で売れるメリットがある。
・銀イオンを壁に塗り込み、プラズマクラスター13台で常に殺菌。
・サラダ菜で35日で出荷。
・最後の1,2日で大きくなる。
・35日を30日にできないか検討中。
・35日の工程を見つけるのに苦労する。
・種から12日、移植して12日・・・工程がしっかりしている。
・リーフレタスだと少し読みにくく、同じパターンにするのが難しい。
・毎日順番に作業を進めることができる。
・1日750株栽培、月22,150株の栽培になる。
・販売単価は160円で、天満屋、両備、生協、ユアーズ、全日空ファーストクラスなどに卸している。
・1つの棚に青色LED4本と赤色LED1本設置、青と赤が混ざると紫色に部屋がなるので、青色LEDには黄色に塗っている。
・LEDは17:00~24:00の間切って、野菜を休ませている。
農薬を散布しなくてよい、年間通して作れるなど安心・安全、安定供給などメリットは多い。
葉物が中心になりやすく、初期投資も高く大量生産までまだ時間が掛かりそうだ。
カット野菜などの加工用キャベツやタマネギを栽培
従業者 25名
栽培面積 35ha
取引先 全農、大黒天物産、倉敷青果
主な商品
かぼちゃ 7~8月、12~2月
キャベツ 5~6月、11月~3月
タマネギ 5~7月
社長の言葉で、無機質な人は作業する人、農業は繊細という言葉が印象に残る。
良いものを安く作れば来てもらえる。来てもらえることが重要。
周囲からよく真似をされるという。
A&Sさんが肥料を撒くと周りも撒くが、定植した日が一緒でないので効果が低い。
・業務用野菜のカット野菜の原料。
・かぼちゃは固いので市場へ出荷。
・量は最大の武器になる。量が値段を高める。
・通常企画で1.2kgでも、カット野菜なので2.5kgまででも出荷可能。時に5㎏もある。
・細心の注意は虫が入らないこと。
・キャベツ1㎏50円でも利益は出る。
・JAに出荷は基本にしている。
・葉面散布、土壌改良、土壌分析、残留農薬は必ずする。
・原価30%くらいだが、多くても50%以内でなければ発展しない。
・無駄な農薬は使用しない、副作用が必ずでる。
・苗が小さいうちは少なく、大きくなって多く、子供のご飯と同じである。
・さばくの土の方がやりやすい場合がある。たい肥などいるものでも悪い菌も繁殖しやすくなる。
・根が張ることが命で、欲しがっている時を見極め、適量を与える。
・手間をかけ、切ったりすればするほどホルモンの調子が狂い生育が悪くなり収穫が減る。
・雪国まいたけさんに出荷している。まいたけだけは売れないのでキャベツとセット売りをしている。
・作物を水ぶくれで太らせない。炭水化物で太らせると腐りにくくなる。
タマネギの苗を植える機械。
苗の時に根が15本以上出ていないと使えない。
A&Sさんでは18~20本は出ているという。
亜リン酸、カルシウム、カリウムなど使用する。

大黒天ファームは時間のためなしへ。
もともとバスの中から見る予定。
最後に
笠岡干拓を見て、規模の違いを感じた。
量が価格を決めると皆同じことを言われる。
量がないと交渉に参加できない。
組合による量での参加が部会単位の農協である。
また、規模があると効率化によりくっきり違いがでる。
安い単価でも利益がでる仕組みだ。
数十、数百ヘクタールと栽培している方こそ、まだ拡大したいと口を揃えて言う。
明らかに規模が利益を比例以上にさせていることがわかる。
要するに土地が足りないのだ。
ベイダー秀吉







































