
政府の農政改革として、減反した農家に直接支払交付金がある。
14年度から交付金が10a当たり7500円に半減される。
東日本大震災で米が高値になり、消費が落ち込み在庫がだぶついている。
ここで減反の歴史にふれる。
政府は食糧管理法により全量固定価格で買い上げることになっており、
農家は生活の安定が保証されていた。
戦後、農地改革により自作農が大量に発生。
また、肥料や農業機械の技術が向上し生産が飛躍的に増加。
一方、日本の食事は欧米化し、コメの消費量は減少する。
政府は過剰な在庫を抱えることになる。
その後、1970年開田禁止、買取限度の設定、自主流通米制度など生産調整開始。
他の農作物への転作や休耕などにより、需給のバランスを図る、これが減反政策である。
また、転作に奨励金を出すが、現在まで予算額は減少の一途をたどる。
2018年減反政策は終了する。
物は需給の関係で動いていることが分かる。
現在の太陽光パネルの電気買取制度も似ている感がある。
原発分を他のエネルギーでカバーする。
これは機器の故障などのトラブルがなければ投資としては確実である。
昔の米も同じ制度であった。
しかし、今は米では必要ない制度になったという政府の判断である。
戦前の米は非常に重要で、確かに政府がコントロールしてでも確保しなければ
ならなかったであろう。
問題は需要がないことだ。
食の多様化により米のライバルも増えた。
多く余っているものは希少性がなく、欲しい人より物が多いので安くなる市場原理。
消費者にとっては安いにこしたことはない。
しかし生産者に作る意味のあるくらいの儲けがないと続かない。
減反政策がなくなるという事は、市場原理に任せるということになる。
今の生産量でいくと受給関係から、米は安いままとなる可能性が高い。
誰かが自主的減反(転作、休耕)しなければ米は安いままである。
①暫くは作っても儲けはでない年が続く。
②そこで米を作るのを止める人も出てくる。
③いずれ米の価格が元の水準に戻る
かもしれないが、今度はTPPという大きな転換期を迎える。
➁で米を作るのを止めると、そのまま休耕の人も出る。
ここにビジネスチャンスもある。
農業に興味のある人が農地を取得しやすくなる。
また、転作することで、他の作物も供給過剰になるかもしれない。
一言で減反終了と米だけの問題とも思えない。
秀吉


